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【Artist Report】#4 新藤杏子

ART FACTORY城南島のスタジオで作品制作を行っているアーティストの皆さんを少しずつご紹介していく企画「Artist Report」。


第4回目は、”アートフェアアジア福岡2022”への出品や既に開催が決まっている個展に向けて制作でお忙しそうなご様子の「新藤杏子」さん。


制作のご様子とインタビュー内容を少しだけ公開させていただきます!
ぜひご一読ください!

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繊細に描かれた作品が並ぶ新藤杏子さんのスタジオ内。



細い筆を使い、描き込んでいるご様子。


 

細かい筆致で画面に塗り重ねていきます。




とても緻密に描かれているので絵画の世界に吸い込まれてしまいそうな感覚に陥ります。­­­­






筆を平筆に変えて、絵の具を混ぜ合わせる­­­。


 

絵の具を画面に薄く延ばしていく。

 

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では早速、新藤杏子さんにお話しを伺いたいと思います!


新藤さんは絵を描く前に下書きやエスキースなどは用意されていますか?

新藤:
描く前に一応準備はしていて、撮った写真の中から使えそうなやつを引っ張ってきて組み合わせて、これだったらこうイメージに合うかなとかして、エスキースに起こしています。
あとは取材じゃないけど、いろんな所に行ってそこの土地の話とかを聞いたりした中から引っ張ってきたり、あるいは全然違うグリム童話やギリシャ神話などの民話から引っ張ってきたりして描いています。



以前から新藤さんが描いている様子を何度か拝見させてもらってきましたが、新藤さんは一発書きのイメージが強いのですが、現在はどのように描いていますか。

新藤:結局一発書きで描いているかな。やっぱり失敗しちゃうと、もう一回全部剥がしちゃうから。やっぱり水彩が主なのかな。水彩の時のかんじで、油彩を描いているという感じです。



こういった新藤さん独特の作風でもあるにじみや筆致は、手数で決まるというか。生まれるものなのでしょうか。

新藤:そうね、手数よりは下地の方に結構時間がかかっているかもしれない。とはいえ、やっぱり水彩よりは時間がめっちゃかかっています。

 

「生物の営み」をテーマに日常で関わった人々や訪れた場所の風景、また様々な土地の歴史や風土、民話などをもとに物語を構築し、描き起こしている新藤杏子さん。



最近は自然が多く描かれている印象を受けるのですが、何か理由というか、テーマがあるのでしょうか。

新藤:今回の個展のテーマを「メルヘン」にしようと思っていて、「メルヘン」って実はドイツとかヨーロッパのどちらかというと民話で、日本だとメルヘンチックとか可愛い、幻想的みたいな意味合いがあるけど、ヨーロッパの怖い伝説とかも「メルヘン」っていう輪郭に入っていて、ちょうど去年描いた作品がギリシャ神話から話をもってきたっていうのもあって、その繋がりでちょっと興味があった宮沢賢治の話とかって実は、ジャパニーズメルヘンみたいな言われ方をしていて「岩手のメルヘン」。
イーハトーブとかそこらへんって実はそういう繋がりがあって、ちょっと面白くて、意外となんか宮沢賢治の世界観って自然が多かったり、過酷だったり、ちょっと不気味だったりみたいなのがあって、そういう感じをちょっと出したいなと思っています。


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ありがとうございました!

新藤杏子さんの作品が出品される”アートフェアアジア福岡2022”は2022年9月30日(金)~10月3日(月)まで、福岡国際会議場、ホテルオークラ福岡の2会場で開催される予定です。
ぜひ福岡に向かわれる方はお立ち寄りください!!

また10月は”YUKI-SIS”での個展、”アート台北2022”へ出品される予定とのこと、どのような作品が展示されるか楽しみですね!!

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*1  メルヘンとは、ドイツで古くから伝承されてきた物語である。語源は中世高地ドイツ語で「出来事の知らせ」を意味する"mære"(メーレ)。15世紀に生まれたメーレ(Mär)と呼ばれる詩の文体の短い物語に、「小さい」を意味する後尾ヒェン(chen)が付けられ、メルヘン(Märchen)となる。18世紀にフランスの妖精物語、アラブ圏の『千夜一夜物語』がドイツ語に訳され、これらをメルヘンと呼ぶようになる。
ドイツでのメルヘンの概念は、グリム兄弟の民話収集『グリム童話集』(1812年)に関係している。日本で馴染み深いグリム童話として、『あかずきん』や『白雪姫』、『シンデレラ』などがある。日本でメルヘンという言葉は、おとぎ話や童話の意味で使われ、それらの雰囲気を表す語としてメルヘンチックといった和製語も存在する。

*2 宮沢賢治(みやざわけんじ)は、岩手県(現:花巻市)出身の日本の詩人。童話作家。また教師や科学者、宗教家などの顔も持っていた。幼いころより親しんだ仏教と農民生活に根ざした創作を行い、作品中に登場する架空の理想郷に郷里の岩手県をモチーフとしてイーハトーブと名付けたことで知られている。
彼の作品は一般にはほとんど知られず、生前出版された作品は『春と修羅』、『注文の多い料理店』(共に1924年に刊行)の2冊。没後、親交があり彼の作品を評価していた詩人・草野心平の尽力により、作品群が広く知られ国民的作家となる。代表作に『雨ニモマケズ』、『銀河鉄道の夜』等がある。

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【アートフェア情報】
「アートフェアアジア福岡2022」
会期:2022.9.30(金)~10.3(月) ※ホテルオークラのみ10.2終了
   9.30(金) 16:00-19:00(VIP view 12:00-16:00)
   10.1(土) 12:00-19:00(VIP view 11:00-12:00)
   10.2(日) 12:00-19:00(VIP view 11:00-12:00)
   10.3(月) 11:00-17:00
会場:福岡国際会議場(福岡県福岡市博多区石城町2-1)
   ホテルオークラ福岡(福岡県福岡市博多区下川端町3-2)
H P :https://artfair.asia/



新藤 杏子 Webサイト
https://www.kyokoshindo.com/         

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